builderscon tokyo 2019(スタッフ編)

buildersconのスタッフをやる必要性はこれっぽっちもなかった。でもやることになったのは情熱とか勢いとかそういったもののせいだろう。

 

Oxygen Not Includedというゲームにはまっている。buildersconの話を書き終えたらこのゲームのことばかり書くことになるだろう。とにかく私にとって衝撃的だった。はじめは単なるコロニー管理のゲームかと思っていた。要するにリソース管理とかそういった類の。しばらく遊んで、そして放置していた。ある日Youtubeでゲーム実況ビデオを見た。プレイヤーは酸素を密閉空間に押し込んでその空間に気体パイプを巡らせて水素を循環させていた。何が起こるかと思ったら酸素が液化した。

 

ja.wikipedia.org

え? 私はその様子を巻き戻して何度か見た。私は今まで酸素を液化するゲームを見たことがない。たぶんそんなゲームこれが初めてだろう。私はゲームを起動し夜中までやって仕事のパフォーマンスが落ち、しばらくゲームをやめてまた夜中までやるというループに入った。そして決定的な要素が追加された「蒸気タービン」である。熱い蒸気を使って発電をするという装置だ。

 私はもう抗えなくなった。3.11の地震の後、急速に発電について興味を持つようになって仕事でもないのに本やらなんやらで知識を蓄えるようになっていった。twitterで知り合った電気新聞(電力の業界誌)の記者と飲んだりもした。ちなみに好きな発電方式は溶融塩原子炉。そんな下地があったから蒸気タービンがいとおしくてたまらない。火力、原子力、地熱、蒸気タービンを回すことに変わりはない。発電所が作れんですよ!奥さん!

 

閑話休題

 

ということでこんな素晴らしいゲームの開発者を日本に呼んでくれる素晴らしいカンファレンスにはぜひぜひ協力したいと思って、1月くらいのスポンサー応募に連絡してみたら「企業相手の募集だし一般参加はもっと後に募集するから待て」と早漏気味な対応をたしなめられた。でも、そのままほっとくと一般参加のタイミングにころっと忘れて参加できなくなると憂慮していたら、古い友人のuzulla君がbuildersconについてつぶやいていたので話を聞いてみると彼は運営者だというではないか。何たる奇遇!ということで彼にリマインドをお願いしして無事にCompleteパスを購入することができた。

buildersconに近づくにつれuzulla君がスタッフ足りないとつぶやくようになったので、それじゃあと腰を上げたのがスタッフ参加のきっかけである。

(やっと本題に入りますよ)

 

私は本業で製品デモをやることが多い。社内のデモルームに顧客を招いて新製品の紹介をしたり展示会に出展したりといったたぐいだ。ビックサイトで壁ブースをやったこともある。かっこよく言えばエバンジェリストってやつだ。なのでカンファレンスといったイベントの運営から何か学べるものがないかという下心もあったわけだ。

そういう目線で感じたことをつらつらと書いていこう

 

1、Slackの運用

 これが一番ショックを受けたことかもしれない。HW主体でどちらかと言えば古い体質の製造業に身を置くとSlackのようなシステムを運用しなかったりする。やれ機密情報の取り扱いがどうのこうの、情報漏洩、開示範囲、情報のコンタミとかいろいろうるさいのでこういった便利ツールはなかなか導入されない。スタッフの皆さんはPCやスマホを使いこなしてSlackに流れている情報を拾っていたようだが、私はそんなこと無理なのでドキュメントをすべて印刷して持参した。紙最高!

実際のところスタッフ業務中はパンフレットを手に持っていると案内がスムーズにできたので完全なペーパーレスはSW界隈の人でも難しいのだと思ったよ。

 

2、PAシステムのモジュール化

 PAに必要な機材一式はモジュール化されアタッシュケースに収められていた。会場が複数にわたっているため同じ装置を複数用意することで運用が楽になるというわけだ。これは大いに参考になった。

 私が担当しているデモ装置も展示会やら工場やら客先やらであっちこっちに行くことが多いし、同じシステムを複数用意する必要がある。現状はありものの機材で回しているがある程度モジュール化して運用マニュアルを整備すれば工数削減になるだろう。

 

3、ケータリング

 ケータリングが素晴らしかった。シャレオツ、ヤバい。スタッフのお弁当もちょっといいものが用意されていた。この辺ないがしろにされがちだけどメンバーの士気向上につながるので考えないといけない。(Oxygen Not Includedでは、おいしい食事は最大で16ポイント士気を上げる) 費用対効果は高いし、カンファレンスのブランド価値を上げるのにも貢献するだろう。

 

4、女性スタッフの多さ

 SW業界は女性が多くてうらやましい。HWで女性スタッフをあつめようとすると大変なんですよこれが。お客さんに女性がいる限りスタッフにも女性がいないと女性特有のトラブルに対処できなかったりいろいろ問題になったりするので女性大事。

 そして女性を女性として扱っていないのが素晴らしいと思った。例えば女性だから受付やれとか司会やれとかジェンダーとジョブを紐づけてないのが良かったと思う。

 

5、スポンサー対応

 スポンサードを受けるタイプのイベントってやったことないから新鮮だった。スポンサーへの気配りとか。提供されたもの(水とかノベルティグッズ)の管理とか。

 

 

で、結局役に立ったのか?

 

感触はつかんだつもり。じゃあ、仕事でやるとなったらどうなるかって言うともっとカチカチに手順なりなんなり承認なり予算なりと社内外の調整が超面倒で総務とか広報とか巻き込まないとにっちもさっちもいかないだろうなぁとは思った。HW業界ももっと気楽に話ができる場所があるといいなぁ。