builderscon tokyo 2019(感想編)

HWエンジニアの私がいかにしてbuilderscon tokyoに参加してスタッフ業務に携わったかの日記。今回は講演の感想編。

 

まずは聴いた講演の感想から書いていこう

builderscon.io製造業の調達・購買最適化システムを作った話。共感できる事柄としては

B2Bは初めてだから商習慣がわからなくて苦労した

 これはHWでもよくある。電話を例にとってみようか。かつて電話と言ったら固定電話であった時代があった。そのあと携帯電話が出てきたので”無線”を扱う必要が出てくるわけ。無線は帯域割り当てとかあるし、携帯されるので国際的な電波の取り扱いも考えなきゃいけなくなるわけ。そのうちスマホでしょ。そうなるとインターネットだとかAndroid(linux)といったオープンソースとどう付き合うかという課題が出てきたりするの。 僕も仕事で新規の業界に売り込みに行っていて、その商習慣を勉強中という状況のため共感できる話だった。

 

続いてこれ

builderscon.ioI

ISOで規定されているからって、そのまんま運用されてないし規格には書かれない慣例やイリーガルな処理がよくあるという話。

これもよくわかる。おじさんはかつてパソコンのディスプレイを設計する仕事をしていた。DVIというデジタル接続規格があるんだけど、これもVESAという業界団体で規格が作成されているはずだが某社のDVIを処理するLSIの動作がデファクトになっているということがあった。規格なんでそんなもんだ。webブラウザだってそうでしょ?

 

続いてbuildersconに参加するきっかけその1

builderscon.ioスーパーカミオカンデの観測システムの話。観測結果(ペタバイト級)をいかに処理するか。

 おじさんはね、天文学が好きなんです。特に可視光以外で観測する天文学。仕事がつらくなったら野辺山の電波天文台に行ってリフレッシュすることもある。そういう中でもスーパーカミオカンデはかなり好き。本物はなかなか見れないからアンドレアス・グルスキー展で巨大な写真を見たりした。あと展示会とかで浜松フォトニクスのブースで光電子倍増管見たりとか。

www.newyorker.co.jp

やっぱり僕はこういう人になりたいと思うね。つまりコンピューターのためにコンピュータを使うのではなく、目的のために仕方なくコンピューターを使ってたら詳しくなっちゃったという人。

 ベテルギウス超新星爆発しそうだから観測システムを増強しているという話がエモかった。「バルス!」に対応するためにtwitter社がサーバーを増強するようなもの。

 

続いてbuildersconに参加するきっかけその2

builderscon.io コロニー開発ゲーム。アリの観察セットをイメージしてもらえば。その開発者が講演した。このゲームの素晴らしいところは物理や化学の法則を実装しているところ。水を冷やせば凍るし、温めれば蒸気になる。適温でないと植物は育たないし酸素がないとデュプリカント(人造人間:カワイイ)が死んじゃう。といったあたりだ。

 まぁ、ゲーム作りによくある話を聞けるのかと思ったら違った。ゲームを作る目的が科学に興味を持ってもらうこと、学習の手助けになることということであった。なんと!ゲームをやってるときにはこれっぽっちもそういう製作者の意図が見えなかった。

 

          ”見えない”というのがすごい。

 

要するにステマがうまいってことだ。勉強をさせたい、何かを流行らせたいという意図はどうしてもにじみ出てしまうものなんだが。それをうまくゲームに仕上げているのが素晴らしい。

理科の勉強はOxygen Not Includedで社会の勉強はCivilizationで学ぶといいと思うよ。(ゲーム依存症の治療薬は not included)